水族館では、さまざまな種類のクマノミの仲間を観察できます。
とくに映画『ファインディング・ニモ』でおなじみのカクレクマノミは、いまや水族館の人気者です。
しかし、水族館で「カクレクマノミだ!」と指をさす魚は、実は異なる種類なんてことも。
そこで今回は「水族館で見つけたクマノミの仲間」を、実際に撮影した写真とともに紹介します。
カクレクマノミ

名称:カクレクマノミ
学名:Amphiprion ocellaris
英名:Ocellaris clownfish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
カクレクマノミは、映画「ファインディング・ニモ」で一躍有名となりました。
スズメダイ科の小さな魚で、オレンジ色の体に入った白いラインが特徴的です。

カクレクマノミは、イソギンチャクを隠れ家としています。
イソギンチャクは、カクレクマノミの食べ残しをもらうことで共生しているそうです。
イソギンチャクの触手には毒があるのですが、カクレクマノミはその毒への耐性がありますよ。
クラウン・アネモネフィッシュ

名称:クラウン・アネモネフィッシュ
学名:Amphiprion percula
英名:Clown anemonefish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
水族館でカクレクマノミを見ると、ほとんどの人が「ニモだ!」って言うと思います。
でも、ニモのモデルって、実はカクレクマノミではないそうです。
イースタンクラウンアネモネフィッシュという、カクレクマノミのそっくりさんが「ニモのモデル」と言われています。

カクレクマノミより体色のオレンジが濃く、白いラインを縁取る黒線がちょっと太いそうですよ。
でも、もう「ニモ=カクレクマノミ」で浸透しちゃってます。
だから、子どもや彼女に
「ニモはカクレクマノミじゃないよ。イースタンクラウンアネモネフィッシュだよ。」
なんて「ドヤ顔」で言わないように。

面倒くさい人って思われちゃうかもね(笑)
クマノミ


名称:クマノミ
学名:Amphiprion clarkii
英名:Clark’s anemonefish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
クマノミは、オレンジ色の体と2本の白い帯模様が特徴的な魚です。
一般的には「クマノミ=カクレクマノミ」といったイメージがあるかもしれません。
見た目はそっくりな2種ですが、体長と白い模様の本数を比較すると見分けられます。
特徴 | クマノミ | カクレクマノミ |
---|---|---|
体長 | 最大15cmほど | 最大8cmほど |
白い模様の本数 | 2本 | 3本 |
セジロクマノミ


名称:セジロクマノミ
学名:Amphiprion sandaracinos
英名:Yellow clownfish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
セジロクマノミは、その名のとおり背中に1本の白いラインがあります。
また、クマノミの種類でもめずらしい「縦縞(たてじま)」があるクマノミです。
日本近海では沖縄周辺でしか見られないため、比較的めずらしいクマノミとされています。
成長の過程で「オス⇒メス」へと性転換することも特徴的ですよ。
ハナビラクマノミ


名称:ハナビラクマノミ
学名:Amphiprion perideraion
英名:Pink anemonefish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
ハナビラクマノミは、花のような淡いピンクの体色が特徴的です。
また、セジロクマノミと同様に、背中に1本の白いラインがあります。
頭部に入る白い帯模様が…
ある:ハナビラクマノミ
ない:セジロクマノミ
ハナビラクマノミとセジロクマノミは、頭部に入る白い帯模様の有無で見分けられます。
ハナビラクマノミは、全長7cmほどの比較的小柄なクマノミです。
トウアカクマノミ


名称:トウアカクマノミ
学名:Amphiprion polymnus
英名:Saddleback clownfish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
トウアカクマノミは、黒っぽい体とオレンジ色の顔が特徴的です。
また、英名の”Saddleback”は、背中の白い模様が乗馬で使用する鞍(くら)のように見えることが由来です。
日本近海では、沖縄周辺でしか見られません。
ハマクマノミ


名称:ハマクマノミ
学名:Amphiprion frenatus
英名:Tomato clownfish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
ハマクマノミは、頭部に1本だけ入る白い帯模様が特徴的です。
日本近海(奄美諸島より南)の比較的浅い海域に生息しているため、ダイビングで見られる魚としても人気があります。
丸い触手が特徴的な「タマイタダキイソギンチャク」と共生するそうですよ。
スパインチーク・アネモネフィッシュ


名称:スパインチーク・アネモネフィッシュ
学名:Premnas biaculeatus
英名:Maroon clownfish
分類:スズキ目スズメダイ科プレムナス属
スパインチーク・アネモネフィッシュの特徴は、目の下にヒゲのようなトゲがあることです。
スパイン:トゲ
チーク:頬(ほほ)
この特徴は、ほかのクマノミには見られないことから、分類が「プレムナス属」と分けられています。
体長は最大17cmほどまで成長するため、クマノミの仲間では比較的大きな部類です。
バリアリーフ・アネモネフィッシュ


名称:バリアリーフ・アネモネフィッシュ
学名:Amphiprion akindynos
英名:Barrier reef anemonefish
分類:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
バリアリーフ・アネモネフィッシュの特徴は、尾ヒレが白いことです。
その名のとおり、グレートバリアリーフのサンゴ礁に生息しています。



グレートバリアリーフ~ニューカレドニアのサンゴ礁域にしか生息しない固有種だそうですよ!
【最後に】クマノミの豆知識


水族館でクマノミの仲間を観察する前に、ちょっとした豆知識を紹介します。
事前知識をもって観察すると、生き物への興味や楽しさが増しますよ!
和名から「日本に生息しているかどうか」がわかる
クマノミの和名を見れば「日本の近海に生息しているかどうか」がわかります。
○○クマノミ
日本の近海に生息している。
○○アネモネフィッシュ
日本の近海には生息していない。
クマノミ特有の泳ぎ方|ワッギング


カクレクマノミは「ワッギング」と呼ばれる、クマノミ特有の泳ぎ方をします。
魚って「スイスイ」っとまっすぐ泳ぐのが一般的です。
しかし、クマノミは、体をクネクネとひねるように泳ぎます。
カクレクマノミが泳ぐ様子を撮影してみました。
イソギンチャクの周りを、ゆらゆらと泳ぐ姿がとても可愛いですよ。



水槽で泳ぐカクレクマノミを見ていると癒されます。
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