水族館でチョウチョウウオが泳ぐ水槽をボーっと眺めていた日のこと。
とある魚に一目惚れしてしまいました。
カラフルな熱帯魚が泳ぐ水槽で、その魚は異彩を放つ「真っ黒な体」をしていました。
どうやら「ユウゼン」という名前の魚だそうです。
どんな生き物?

学名:Chaetodon daedalma
分類:スズキ目チョウチョウウオ科
英名:Wrought iron butterflyfish
分布:西アフリカ・中央アフリカ
ユウゼンは、日本の小笠原諸島や伊豆諸島などに生息しています。
これらの生息地は「ダイビングスポット」としても人気の場所です。

小笠原の海を潜るダイバーにとっては、おなじみの魚かもしれません。
しかし、海外の人にとっては、日本でしか見られないめずらしい魚です。

警戒心が薄く、ダイバーに近寄ってくるので「人懐っこい魚」として人気がありますよ。
ユウゼンの美しさ


ユウゼンは、チョウチョウウオの仲間です。
チョウチョウウオの仲間は、可愛らしい顔つきと色鮮やかな模様が人気を集めています。



ヒラヒラと蝶々のように泳ぐ姿も可愛らしいですよ。


一方でユウゼンは、地味で真っ黒な体が特徴的です。
尾ヒレには、綺麗な黄色のラインが入っています。
また、一枚一枚のウロコが、白く縁どられているのも特徴的です。



日本固有の魚にふさわしい「和風の美しさ」を感じます。
ユウゼンの名前の由来


ユウゼンの名前の由来は、着物の伝統的な染色技法である「友禅染」です。
友禅染の特徴は、染模様の輪郭を表現する「糸目糊(いとめのり)」。着物に施された草花の美しい描写は、まさに日本の伝統芸術です。


糸目糊の白い縁取りが、ユウゼンのウロコにある白い模様と似ています。
尾ヒレの黄色いラインは、着物の帯のようにも見えます。まさに日本固有にふさわしい和の風情を感じさせる魚です。
水族館でユウゼンを見てみよう!
少しだけユウゼンに興味が湧きましたか?
いくつかの日本の水族館では、ユウゼンを飼育展示しています。



「この水族館にもいたよ!」といった情報があれば、記事下のコメントにて教えてください!
最後に|じっくり観察してみよう


”ユウゼン”という名前の由来を知らないと、ただの「黒くて地味な魚」です。
おそらく水槽を泳いでいても、じっくりと観察することは少ないと思います。
しかし、美しい友禅染が名前の由来であると知っていれば、きっと印象(見え方)が変わるはずです。


水族館でユウゼンを見つけたら、その美しい姿をじっくりと観察してみてください。
人懐っこい魚といわれるように、手の動きやカメラに興味を示してくれるかもしれませんよ。
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