
名古屋港水族館で撮影した写真を整理していた時のことです。
アオリイカの写真があり、透き通ったような白い色をしていたので、
ぎょぎょぎょ
なんてほんわかした気分になっていたのですが、次の写真を見て驚きました。

あれ?さっきの写真と体の色が違う気がする。
「別種類のイカかな?」なんて思いましたけど、どうやら同じアオリイカのようです。

なんで同じアオリイカなのに、こんなに色が違うのでしょうか。
気になったので、ちょっと調べてみました。

アオリイカは体色を変化できる
イカの仲間は、体の表面に「色素胞」と呼ばれる色素の詰まった細胞を持っています。
この細胞を大きくしたり小さくしたりすることで、体の色を変化させます。

細胞が大きくなると「赤く」、小さくなると「白く」変化するようです。
なぜ体色を変化させるの?

写真をよく見ると、体が白い時は表面に「黒くて細かな斑点模様」が見えます。
これが色素胞です。

赤くなった姿を見ると、細胞が大きくなっているように見えます。
どのような状況で赤くなるのか、ハッキリとした理由は解明されていません。
調べた感じでは、ビックリしたり興奮したりすると赤くなることが多いようです。

外敵に対して威嚇をする時やオスがメスにアピールする時などが多いと言われています。
普段食べるイカは白い?
普段、刺身で食べるイカって「白い」ですよね。

茹でても白くなるし「イカと言えば白い」ってイメージが強いと思います。
逆に、赤っぽいイカの刺身が出てきたら「これ大丈夫?鮮度悪いんじゃないの?」って思いませんか?
新鮮なイカは白くない
実はこれ「逆」なんです。
色が濃く赤みの強いイカの方が新鮮なんです。
新鮮な状態では色素胞の周りにある筋肉が収縮するため、細胞が広がり赤くなります。
そして時間が経つにつれて徐々に筋肉が緩んでいくので、イカが白くなるのです。
白くても鮮度は良い
じゃあ白くなったイカは「鮮度が落ちているの?」って思いますよね。
でも白いからと言って、鮮度が悪いわけではありません。

イカは「冷凍すれば品質が落ちない」といった特徴があります。
時間が経つと細胞が収縮するので白くなりますが、市場に出回るイカは急速冷凍されることで品質が保たれているようです。
コブシメの体色変化がスゴイ!

コブシメは、沖縄などの熱帯域に生息する大型のコウイカです。
大きな体からは墨がたくさん取れるので、沖縄では「クブシミ」と呼ばれています。
クブシミという呼び方が、”コブシメ”という名前の由来にもなっているそうですよ。

コブシメの大きな特徴は「体の色」と「体の形状」を自由自在に変化させられることです。
普段は黒っぽい体色と楕円形の胴体をしていますが…

敵を威嚇したり獲物を捕食する時は、体色が白と黒の縞模様っぽくなり、胴体が少しトゲトゲした形状に変化します。
動画にしてみた
写真だと伝わりにくいので、動画にしてみました。
体の色がグルグルと変化するので、なんだか目がチカチカしちゃいそうですね。
イカは不思議な生き物
イカって見慣れた生き物なので気にならないかもしれませんが、よく見ると「へんな生き物」です。

たくさんの足(触腕)があったり、スミを吐いたり、体の色を変化させたり…
生き物って不思議ですね!