現代社会では、日々の生活で捨てるゴミの量を減らす取り組みが注目を集めています。とくに使い捨てのプラスチック製品は問題視されており、コンビニや飲食店にも影響する身近な話題です。
人の生活にかかわるゴミは、自然環境に大きな影響を及ぼしています。海や山の大切な自然を守るためには、一人ひとりのゴミを減らす努力が欠かせません。
そんな環境問題の改善に少しでも貢献しようと思い、僕自身も日頃から「エコバッグ」と「マイボトル」を使っています。正確な年数は忘れてしまいましたが、おそらく5年ほど継続しているはずです。
そこで今回は、エコバッグとマイボトルを「5年間ほど使ってみた感想」を振り返ってみます。また、取り組みの目的や重要性についても、改めて理解を深めてみました。
エコバッグを使ってみた感想(生活の変化)
エコバッグを使うようになってから、日常生活にいくつかの変化が生まれました。
- ビニール袋のゴミを捨てる頻度が減った
- まとめ買いをする機会が増えた
- 無駄な外出が減った
以前は買い物に行くたびにレジ袋を受け取り、それがゴミとして溜まっていました。しかし、エコバッグを使うことで、持ち帰るためだけの無駄なビニール袋が減りました。
また、ビニール袋と比べて、エコバッグの素材は耐久力に優れています。より多くの品物を入れられるので、まとめ買いをする機会が増えました。ビニール袋で持ち帰ることを想定すると、どうしても重量がある大きな品物の購入を避けざるを得ません。
いままでは「のどが渇いたな」と思うたびに、作業を中断してコンビニに行っていました。しかし、いまでは1日の必要量をまとめ買いしているので、何度も外出する無駄な時間も減っています。
マイナス面はないの?
- レジ袋がないと不便なときもある
- 節約効果は期待できない
レジ袋をストックしておくと、さまざまな使い道に活用できて便利です。ゴミ袋にしたり小分けするときに使ったり。海に行くときには、サンダルを入れたりもします。
だから、たまにビニール袋がなくて「不便だな」って思うときもあります。とはいえ、数年前までは、ビニール袋をもらいすぎていました。余って捨てていたくらいなので。
ちなみに、エコバッグを使うようになったのは「レジ袋の有料化」がきっかけです。2019年頃から「有料化されるらしいよ」と話題になり、余って捨てるようなゴミにお金を払うのもどうかなと思いました。
しかし、節約につながったかどうかは、なんとも言えません。エコバッグの値段はピンキリです。質やデザインにこだわれば、そこそこの出費を覚悟する必要があります。
正直に言うと、エコバッグを毎日持ち歩くわけではありません。たまにコンビニでレジ袋をもらう日もあります。だから、金銭面の節約を期待するのではなく、あくまでもゴミになるレジ袋の削減が目的なのかなと思います。
ビニール袋が自然界にもたらす悪影響
- 生き物がエサと間違えて食べてしまう
- 植物の成長を妨げてしまう
数年前まで、コンビニやスーパーでビニール袋をもらうのが当たり前でした。ビニール袋は手軽に使える反面、環境に大きな影響を与える一面もあります。
NOAAのデータ(※)によると、自然界に投げ捨てられたビニール袋は、完全に分解されるまで約20年かかるそうです。そして、分解されずに残ったビニール袋は、生き物に悪影響を与える可能性があります。
ウミガメがクラゲと間違えて食べてしまったり、地面に覆いかぶさることで植物が育ちにくくなったり。
最近では、分解速度に優れた「生分解性プラスチック」を用いたレジ袋も増えています。東京大学の研究発表によると、推定3週間~2ヶ月間で分解されるようです。
微生物の働きによって、最終的に水と二酸化炭素に完全分解されるプラスチックを「生分解性プラスチック」といいます。
海洋生分解性プラスチックとは?|産総研マガジン
とはいえ、すぐに分解できればいいという問題ではありません。もちろん、分解しやすいほうがよいのですが、生き物への影響を考えると「流出するゴミを減らす」が根本的な解決策のはずです。
エコバッグを利用する配慮は、このような環境問題を解決するための手軽な手段です。意図せず自然界に紛れ込んでしまうビニール袋を減らすためには、日常的な使用量を減らす取り組みが欠かせません。
マイボトルを使ってみた感想(生活の変化)
- 飲料水を買う頻度が減った
- コンビニに立ち寄る手間が減った
- 無駄な出費が減った
マイボトルを購入するまでは、コンビニや自動販売機で飲み物を頻繁に購入していました。業務に集中するためのブラックコーヒー、仕事終わりの一服に微糖の缶コーヒー。コーヒーの購入頻度は、計り知れないほどです。
しかし、マイボトルを購入してからは、水やお茶を入れて持ち歩く習慣ができました。飲み物を買うために、わざわざコンビニや自販機に立ち寄る手間も省けます。
また、購入頻度が減ったことによる節約効果も大きな変化です。マイボトルを利用することで、積み重なる小さな出費を減らせました。
自販機で購入するためだけに持ち歩いていた財布の出番がなくなり、いよいよ電子マネーだけで生活できるようになったのもうれしい変化です。マイボトルは環境への配慮だけでなく、時間とお金の節約という変化をもたらしました。
マイナス面はないの?
- ボトルを洗うのがめんどくさい
- 荷物が増える
マイボトルを持ち歩くには、使用後に洗浄しておく必要があります。しかも、筒状のボトルを洗うには、専用のブラシがないと不便です。洗い物の手間が増えてしまうのは、正直に言うと「めんどくさい」と感じました。
持ち歩くときには、どうしても荷物が増えてしまいます。ペットボトルと比べると、マイボトルは一回り大きめのサイズです。
少ない荷物で外出したいときには、外出先で飲み物を購入することもあります。
ペットボトルや空き缶が自然界にもたらす悪影響
- 自然に分解されるまで数百年かかる
- 腐食による環境被害の恐れがある
ペットボトルや空き缶が自然に分解されるまでには、数百年におよぶ長い時間がかかります。NOAAのデータ(※)によると、ペットボトルが400年、アルミ缶は200年かかるそうです。
捨てられたゴミは、長い年月をかけて自然環境に残り続けてしまいます。生き物たちは、ゴミかどうかを判別できません。
プラスチックゴミが分解される際に生じる「マイクロプラスチック」は、エサと間違えて捕食した海洋生物の体内に蓄積されることもあります。最終的には、魚や貝を食べる人間にも影響を及ぼす恐れがあるため、他人ごとではありません。
プラスチックごみが小さな破片になった「マイクロプラスチック」を、魚や貝などがエサと間違えて食べてしまう例も確認されています。
海のプラスチックごみを減らし きれいな海と生き物を守る!~「プラスチック・スマート」キャンペーン~|政府広報オンライン
また、放置された空き缶の表面が腐食すると、周囲の土壌や水質に有害な影響を及ぼす可能性もあります。自然を守るためには、一人ひとりが日常生活で少しでもゴミを減らす意識が必要です。
自然を守るための身近な取り組み
ゴミを減らすための取り組みは、難しいことではありません。以下のような小さな一歩から始められます。
エコバッグを持ち歩く | ・ビニール袋の使用頻度が減る ・コンパクトに折りたためばカバンに入れられる |
---|---|
マイボトルを持ち歩く | ・飲料水の購入頻度が減る ・デザインや機能性で選べば持ち歩くのが楽しくなる |
不要な包装を断る | ・少量の買い物なら余計な包装やレジ袋を断る ・慣れると意外に気にならない |
ゴミ拾い活動に参加する | ・ビーチクリーンや街中・山道のゴミ拾いが定期的に行われている ・ゴミを減らすことは結果的に自然保護につながる |
エコバッグを持ち歩く | ・ビニール袋の使用頻度が減る ・コンパクトに折りたためばカバンに入れられる |
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マイボトルを持ち歩く | ・飲料水の購入頻度が減る ・デザインや機能性で選べば持ち歩くのが楽しくなる |
不要な包装を断る | ・少量の買い物なら余計な包装やレジ袋を断る ・慣れると意外に気にならない |
ゴミ拾い活動に参加する | ・ビーチクリーンや街中・山道のゴミ拾いが定期的に行われている ・ゴミを減らすことは結果的に自然保護につながる |
上記の目的は、自然界に流出するゴミを減らすことです。ゴミが海に流れ込むと、海洋生物が誤って摂取してしまうリスクがあります。また、登山やハイキングで捨てられたゴミは、自然景観を損ない、生態系に悪影響を与える要因です。
先日、ビーチクリーン活動に参加してきました。海のゴミを拾ってみると、やはりペットボトルやビニール類が目立ちます。砂に埋もれたプラスチックの欠片もたくさん見つかりました。
海や山は、僕たちがリフレッシュしたり自然とふれあったりする大切な場所です。その美しさや生態系のバランスを保つためにも、一人ひとりが日常的にゴミを減らす行動が欠かせません。
海や山は、僕たちがリフレッシュしたり自然とふれあったりする大切な場所です。その美しさや生態系のバランスを保つためにも、一人ひとりが日常的にゴミを減らす行動が欠かせません。
正しい捨て方を守ることが大切
エコバッグやマイボトルの利用には「結局、ゴミは減っていない」「出費が増えた」といった懐疑的な意見も目立ちます。
たとえば、レジ袋有料化の影響で「大きな変化があったか?」と言われると、よくわからないのが本音です。しかし、自然界へのゴミ流出を防ぐための対策として、使用量を減らすという取り組みは「間違っていない」と思います。
「なぜ海や山にゴミが流出するのか?」を考えると、そもそも「どこから流れついているのか?」と疑問が残るはずです。ゴミを正しい方法で捨てていれば、使用量が多かろうが少なかろうが自然界に流出しないのではないでしょうか。
しかし、海や山には当たり前のようにゴミが見つかります。当然ですが、人が捨てたゴミです。
街中を歩いてみると、意外にごみがあることに気づきます。自動販売機の周りに置かれたごみ、植栽に捨てられたごみ、集積場所からこぼれたごみ。これらの一部が風や雨などによって、川へ落ち、それが海までやってきます。
海岸のごみはどこから来るのか? | 公益財団法人かながわ海岸美化財団
レジ袋は使い勝手がよいため、さまざまな用途で活用されています。海に山に持っていく機会もあります。しかし、持ち帰らない人がいます。そして、自然に残され、ゴミとなり、悪影響を及ぼしています。
一方でエコバッグやマイボトルには「必ず持ち帰る」はずです。そこそこの値段で買ったモノを、わざわざ使い捨てる人はいません。だから、活用することにメリットがあります。
もちろん、ゴミを正しく捨てさえすれば、無理にエコバッグやマイボトルを買う必要はありません。自然界に流出しない正しい捨て方を守れば、レジ袋を貰っても自販機で缶コーヒーを買っても問題ないはずです。
持続可能な未来を目指して
僕たちにできる取り組みは、地球規模でいうと「ささいなこと」です。しかし、その小さな取り組みは、環境問題に大きな影響をもたらす可能性を秘めています。
エコバッグやマイボトルを「使っても意味がない」とバカにする人もいます。しかし「意味がないからやらない」では、物事が解決どころか改善すらしません。エコバッグやマイボトルを使わずに、いますぐできる代替案があるなら、そちらに切り替えればいいと思います。
環境にかかわる問題の解決は、たった一人の行動ではなく、人々の協力が欠かせません。個人的な問題ではなく、地域規模・地球規模の問題だからです。
いま住んでいるキレイな生活環境を守るためには、快適な食生活を守るためには、基となる自然がなければ成立しません。自然を守るために何ができるのかを考え、行動に移すことが、自分の快適な環境を守ることにつながります。
まずは自分自身のために、今日からできることを始めてみましょう。とはいえ、一人でできることなんてたかが知れています。
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