『はらぺこあおむし』をはじめ、色彩豊かな絵本作品で知られるエリック・カール氏。そのアートと水族館の生き物を組み合わせた企画展「エリック・カールといのちの色-同じ世界で、ちがう色-」が、しながわ水族館で始まりました。
エリック・カール氏の作品に登場する色鮮やかな生き物と、実際に水槽で暮らす生き物たち。両者を見比べてみると、生き物の色や模様が、ただ美しいだけではないことに気づきます。
今回の企画展は、エリック・カール氏のアートを入り口に、生き物がもつ色や模様の不思議を体感できるイベントです。開催前日のメディア内覧会に参加してきたので、展示の見どころを紹介します。

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- 全国の水族館をめぐっている(現在36館)
- 開館から閉館までずっといるタイプ
- 5日間で関東の水族館を8か所ハシゴした
エリック・カール氏の作品から「生き物への興味」を広げる
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企画展のタイトルは「エリック・カールといのちの色-同じ世界で、ちがう色-」です。しながわ水族館の館内に、エリック・カール氏が描いたさまざまな生き物のアートが登場します。
企画展示の開催期間は、2026年7月25日(土)から2026年12月25日まで。夏休みだけでなく、秋から冬にかけても楽しめる企画展です。
もしかすると、多くの人が最初に思い浮かべるのは『はらぺこあおむし』かもしれません。しかし、エリック・カール氏の作品では、ほかにも魚やカエルなど、さまざまな生き物が描かれています。
今回の企画展には、そうした作品の魅力をより多くの人に知ってもらうと同時に、イラストをとおして「水族館の生き物にも興味をもってほしい」という思いが込められています。
絵本で見た生き物を実際の水槽で探してみる。また、水槽で気になった生き物を絵本で見つけてみる。アートと水槽展示を行き来することで、生き物を見る視点が少しずつ広がっていきます。
魚の模様には生きるための「意味」がある
特設会場では、エリック・カール氏のアートとともに、生き物がもつ色や模様の意味が紹介されています。
なかでも注目したいのが、幼魚と成魚で模様が大きく異なるタテジマキンチャクダイです。幼魚の体には青や白の線が渦を巻くように入っていますが、成長すると縞模様へと変化します。
なぜ、成長の途中で模様が変わるのかな?
タテジマキンチャクダイの成魚は縄張りをもち、同じ種類(模様)の魚と競い合います。幼魚が成魚と同じ模様をしていると、縄張りを争う相手と判断されることも。そのため、間違って攻撃されないように、幼魚のうちは成魚とは異なる姿をしていると考えられています。
水槽の魚たちを眺めるとき、僕たちは「きれいな模様だな」と見た目だけに注目しがちです。しかし、その模様の裏側には、魚たちが広大な海で生き残るための戦略が隠されています。
驚きの進化を遂げた生き物もいる


内覧会では、お腹が透明な色をしている不思議なカエルを紹介してもらいました。
このフライシュマンアマガエルモドキは、中南米に生息するカエルの仲間です。お腹側から見ると内臓が透けて見えます。運よくアクリル面に張り付いていれば、透明な腹部を間近で観察できるかもしれません。
今回はタイミングが悪く、透明なお腹は見られませんでした。
腹部が透明な体には、周囲の環境に溶け込むための利点があるそうです。葉の上に体を密着させたときにできる影が薄くなり、葉っぱの一部のように輪郭が目立ちにくくなります。
日中は葉に張り付き、じっと休んでいることが多いそうです。動きが少ないからと通りすぎず、透明な腹部や可愛らしい表情をじっくりと観察してみてください。
企画展の世界は「常設展示」にも広がっている
エリック・カール氏のアートや装飾は、館内の常設展示にも散りばめられています。しながわ水族館の館内を巡りながら、作品に描かれた生き物と実際の展示を見比べて楽しめました。ペンギンやアザラシの展示エリアにも装飾が施されており、館内全体を使って企画展の世界を楽しめる構成です。
運よくアザラシのイラストと本物のツーショットが撮れましたが、カメラ目線を送ってくれたのはイラストだけでした…(笑)
イラストと本物を見比べることで、体の形や泳ぎ方など、これまで意識していなかった特徴に気づくこともあります。館内のさまざまな場所にイラストがちりばめられているので、絵本で見たイラストや気になるイラストを探してみるのも楽しいです。
絵本を読んで、ふたたび水槽へ
館内には、エリック・カール氏の絵本を自由に手に取れるスペースも設けられています。水槽を見たあとに絵本を読むと「さっき見た生き物に似ている」「この色はあの魚と同じだ」と、新しい発見があるかもしれません。
絵本を読んでから水槽を巡り、作品に登場した生き物を探してみるのも楽しいです。
小さな子どもであれば、生き物の難しい生態解説を最初から理解する必要はありません。まずは色や形に興味をもつことが、生き物に「不思議だな」「面白いな」と感じるきっかけになります。
大人も一緒に絵本を読み返してみると、子どもの頃には気づかなかった生き物の色や模様を発見できるかもしれません。
来館者の色で完成していく塗り絵展示
企画展には、来館者が参加できる仕掛けも用意されています。館内には塗り絵を展示するスペースが設けられ、来館者の作品が少しずつ増えていく予定です。
エリック・カール氏の作品といえば、鮮やかで大胆な色づかいが印象的です。しかし、塗り絵に正解はありません。実際の生き物に近い色を塗っても、自分が好きな色を自由に組み合わせても楽しめます。
同じ絵柄でも、色を塗る人によってまったく異なる作品に仕上がります。それぞれ違う色で描かれた作品が並んでいく様子は「同じ世界で、ちがう色」という企画展のテーマにも重なるはずです。
コラボメニューやオリジナルグッズも登場


しながわ区民公園内にあるドルフィンカフェでは、企画展に合わせたコラボメニューが提供されています。
- お腹いっぱいふとっちょあおむしソーダ
- イルカ親子のお散歩ソーダ


内覧会で『はらぺこあおむし』をイメージした「お腹いっぱいふとっちょあおむしソーダ」を試食させてもらいました。メロンソーダにキウイやドレンチェリーが入っていて、甘酸っぱい飲みごたえが夏にピッタリのドリンクです。
ゴロゴロとしたフルーツが美味しいので、個人的にはスムージーのようにダイエットメニューとして味わうのもいいかなと思いました。
また、マリンショップ「シーガル」では、8月中旬から企画展のオリジナルグッズも販売されます。展示や絵本を楽しんだあとにショップへ立ち寄れば、来館の思い出になるアイテムを見つけられます。
コラボメニューやグッズの内容・販売状況については、来館前に公式情報をご確認ください。
生き物との距離感が魅力のしながわ水族館
しながわ水族館は、2026年10月に開館35周年を迎えます。イルカやペンギン、アザラシやウミガメなど、多種多様な生き物たちが見られる水族館です。
しながわ水族館の魅力は、生き物との距離の近さです。水槽や観覧エリアの距離が比較的近く、生き物の体や動きを間近で観察できます。
また、館内は一巡して回りやすいコンパクトな規模で、子ども連れでも楽しみやすい設計です。足元近くから水槽が立ち上がっている場所もあり、まだ背の低い子どもでも自分の目線で生き物を見つけられます。
特設会場で色や模様について知ったあと、常設展示の生き物をあらためて眺めると、これまでとは違った見え方になるかもしれません。「この魚も不思議な模様」「この色はどこに隠れるため?」と考えながら観察すると、常設展示を見る楽しみも広がります。


アートをきっかけに、生き物の「なぜ」を見つけてみよう


「エリック・カールといのちの色-同じ世界で、ちがう色-」は、エリック・カール氏の作品を鑑賞するだけの企画展ではありません。アートの色や模様をきっかけに、実際の生き物を見て、その姿に隠された不思議な生態を楽しめます。
幼魚と成魚で模様が変わる魚。葉っぱに擬態して溶け込む魚。お腹が透きとおっているカエル。水族館には、それぞれ異なる色や姿で生きる生き物たちがたくさん展示されています。
まずは「不思議だな」「面白いな」と感じるだけでも十分です。その気持ちから生まれた「なぜ?」が、生き物の生態や環境に興味をもつきっかけになります。生き物を描いたイラストは館内全体で見られるので、ぜひエリック・カール氏の作品と生き物の世界を巡ってみてください。































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