メディア運営者「taku」が訪問した水族館を語るだけのコンテンツ。
今回は『アクアマリンふくしま』について、個人的に気になったポイントや見どころを紹介します。

taku
- 全国の水族館をめぐっている(現在33館)
- 開館から閉館までずっといるタイプ
- 5日間で関東の水族館を8か所ハシゴした
「環境水族館」アクアマリンふくしま(以降「アクアマリンふくしま」とする)を最高に楽しむコツは、事前知識を知っておくことです。
この記事を参考にしながら、アクアマリンふくしまの事前知識を「持ち物リスト」へ忘れずに追加しましょう!
・記事内で紹介した展示やイベントは変更されている場合もあります。
・遊びに行く前に水族館の公式HPやSNSで最新情報をご確認ください。
人と地球の未来を考える本館エリア

海を通して「人と地球の未来」を考える。
アクアマリンふくしま
以下のように、さまざまなテーマの水槽展示が並ぶ本館エリア。
- 生命の進化の歴史
- ふくしまの川と沿岸の自然
- 北の海の海獣や海鳥
- 親潮と黒潮が交わる潮目の海 など
自然光が降り注ぐ展示ゾーンでは、植物が生い茂る自然さながらの雰囲気も楽しめます。
海・生命の進化

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生命の進化の歴史をたどる「海・生命の進化」ゾーン。
生き物や植物の化石だけでなく、数億年前から姿を変えず「生きた化石」と呼ばれる生き物たちも展示されています。



「シーラカンス」と「インドネシアシーラカンス」の標本を同時に見られるのは、世界でもアクアマリンふくしまだけです。
水槽にはサメやエイの仲間、クラゲやカブトガニが属する無脊椎動物が展示されていました。
チョウザメやハイギョの姿を見ると、太古の生き物がもつ個性的な特徴を実感できます。
とくに個性的な印象が残ったのは、哺乳類と同じ脊索動物というグループに属するヒガシナメクジウオ。
名前に反して魚類には分類されず、背骨をもつ脊椎動物の祖先とされているそうです。
ふくしまの川と沿岸
福島県を流れる川から海岸に至るまでの自然環境を再現した「ふくしまの川と沿岸」ゾーン。
太陽光が降り注ぐ展示エリアには、自然さながらの植物や水草なども生い茂っています。
上流域に生息するニッコウイワナ、中流域に生息するオイカワやカワムツ。
流れの速さや水温が異なる流域によって、生息する生き物や水中の景観が異なります。
とくに流れの穏やかな池や湿地帯には、生息する両生類や水生昆虫も豊富です。
しかし、湧水環境に生息する「イトヨ」のように、生息域を失いつつある生き物たちも少なくありません。



水族館に展示されている「絶滅危惧種」の生き物たちが、環境の再生に目を向けるきっかけをつくってくれています。
川の水が海に流れ込む河口域(汽水域)には、クロダイやボラなどの魚が生息しています。
山の栄養分豊富な水が流れ込むため、稚魚や幼魚が多く集まる場所でもあります。
また、海岸付近の砂地には、アマモをはじめとする海藻が生えています。
海藻に棲みつく小さな生き物もいれば、隠れ家にする生き物も。



川と海をつなぐ河口域(汽水域)は、海の生き物たちにとって欠かせない場所です。
北の海の海獣・海鳥
「北の海の海獣・海鳥」ゾーンには、ゴマフアザラシやトドといった海獣類が暮らしています。
ゴマフアザラシもトドもサービス精神が旺盛なのか、わりと目の前まで近づいてくれました。
毎日実施されている「フィーディングタイム」では、生体解説とともにエサを食べる様子が観察できます。
エトピリカやウミガラスなどの海鳥は、水中に潜って小魚を捕まえる習性があります。
両足には大きな水かきがついているので、水中をスイスイと泳ぎ回ります。



エトピリカやウミガラスは、ペンギンと違って「空を飛べる」のも特徴です。
オセアニック・ガレリア
アクアマリンふくしまの活動や研究を紹介する「オセアニック・ガレリア」ゾーン。
- 古来より実施されてきた捕鯨文化
- あぶくま東縁の地質生物
- 福島県の水産活動
福島県いわき市にある「沼の内弁財天」は、賢沼ウナギの生息地として国の天然記念物に指定されています。
しかし、河川環境の悪化によって姿を減らしており、環境問題の理解や取り組みが重要視されています。
熱帯アジアの水辺
マングローブが広がる水辺を再現した「熱帯アジアの水辺」ゾーン。
水面から根を張るマングローブ植物は、水中で暮らす小さな生き物たちの隠れ家にもなります。



水辺で暮らす生き物と植物の「つながり」がわかる展示エリアです。
首が長いナガクビガメやアゴが伸びたコモチサヨリなど、東南アジアの淡水魚は見た目の色や形が個性的です。
多種多様な生き物が生息する熱帯雨林では、個性的な見た目が仲間同士を見分けるのに役立つのかもしれません。



個人的にはキバウミニナという巻貝が印象に残りました。マングローブの落ち葉を食べてくれるので、豊かな自然環境を維持するうえで欠かせない生き物なんだろうなと思いました。
サンゴ礁の海
サンゴ礁に生息する生き物たちを展示する「サンゴ礁の海」ゾーン。
色彩豊かな魚たちが泳ぐサンゴ礁には、半透明の体をもつハゼやエビの仲間も暮らしています。



半透明の体で環境に溶け込んでいますが、模様は意外に派手でした。
サンゴ礁には、チョウチョウウオ科やニザダイ科(〇〇ハギ)の魚がたくさん泳いでいます。
チョウチョウウオの仲間は水族館でも多くの種類が見られるので、色や模様の違いを見比べてみるのも面白いです。
「サンゴ礁の海」ゾーンには、キンメモドキの群れが泳ぐ大水槽もありました。
ゴールドの体色が太陽光にキラキラと輝き、水中に降り注ぐ花火のように幻想的でした。



エリア内にベンチがあるので、ゆったりと水槽を眺めるのも個人的におすすめです。
親潮アイスボックス
冷たい北の海に生息する個性的な生き物を展示する「親潮アイスボックス」ゾーン。
コオリカジカのように、東北の水族館ならではの生き物がたくさん見られます。
関西~関東エリアの水族館では見られない生き物が多くて、少しマニアックですが個人的にはテンションが上がりました。



ダイオウキジンエビは、アクアマリンふくしまが発見した生き物だそうです。
北海道の知床沖や羅臼沖で生物採集を行っているアクアマリンふくしまには、ハダカカメガイ(クリオネ)も展示されていました。
「流氷の天使」と呼ばれるクリオネは、2本のツノと翼が生えたような可愛らしい見た目が特徴的です。



エサを食べるときには、頭のような部位から6本の触手(バッカルコーン)が飛び出します。
潮目の海
アクアマリンふくしまのメインエリアともいえる「潮目の海」ゾーン。
黒潮と親潮が交わる福島県沖の「潮目」を再現した大水槽です。



三角型のトンネルを境目に、黒潮と親潮の水槽が分かれています。
水量1,500トンの黒潮水槽で泳ぐのは、マイワシやカツオの仲間たち。
黒潮は日本の気候に影響を与えるほどの流量・流速を誇り、遊泳力のある魚たちが流れに乗って大海を渡っています。



4階エリア(ふくしまの川と沿岸ゾーン)では、黒潮水槽の上層部(水面付近)を泳ぐ魚たちを至近距離で観察できます。
アクアマリンふくしまの黒潮水槽には、時期によって「バショウカジキ」が展示されることもあります。
水槽で泳ぐ姿を見る機会なんて滅多にありません。
水槽内で泳ぐバショウカジキは小さな個体ですが、成長すると全長約3mに達するそうです。
このバショウカジキは、漁で混獲された市場に出ない小さな個体を、現地の漁業者の協力を得て、生きた状態で搬入し、水槽で飼育研究をしています。
バショウカジキ展示|アクアマリンふくしま


バショウカジキのえらに注目すると、小さな生き物がくっついていました。
どうやら「ヒシコバン」と呼ばれるコバンザメの仲間で、バショウカジキと共生関係にあるそうです。



水槽展示をとおして研究が進むことで、生き物の生態が少しずつ解明されていきます。
豊富なプランクトンが発生する親潮の水槽では、岩礁に居つく海藻類や魚類が多く見られます。
流れの速い黒潮水槽とは異なり、岩場や砂地でじっとしている魚たちが目立ちました。



海の中には潮の流れによって異なる景色が広がっています。そんな自然が生み出す不思議を学べるのも、アクアマリンふくしまの魅力です。
ふくしまの海~大陸棚への道~
福島県の海は、海岸から深海へと大陸棚が続いています。
「ふくしまの海~大陸棚への道~」ゾーンは、ふくしまの沿岸に生息するアカカマスやサンマ、さらには水深200mの世界に生息する深海生物が展示されるエリアです。



食卓ではおなじみの「サンマ」ですが、水槽展示か難しいため水族館で見る機会は意外にありません。
深海には見慣れない生物や生態が解明されていない生き物もたくさんいます。
なかには、まだ種が判明していない生物も展示されていました。



時期によって展示が異なるので、その場・その瞬間でしか見られない希少な生き物に出会えるかも?
飼育員の研究レポート・ふくしまの磯
「飼育員の研究レポート」ゾーンでは、アクアマリンふくしまの研究や取り組みの報告レポートを閲覧できます。
- バショウカジキとコバンザメの関係
- 飼育下におけるチゴダラの卵形成過程と産卵様式
- 北海道羅臼沖深海性タラバエビ属5種の性転換について
報告レポートには写真やイラストがあるだけでなく、クイズ形式のわかりやすい解説もありました。
自然にふれて体感する屋外・別館エリア
アクアマリンふくしまには、自然にふれて楽しみながら学べる屋外・別館エリアもあります。
- カワウソのふち
- わくわく・はじまりの森
- 子ども体験館「アクアマリンえっぐ」
- 金魚館
カワウソのふち
自然豊かな水槽が広がるユーラシアカワウソの展示エリア「カワウソのふち」。
ユーラシアカワウソは、絶滅したと言われるニホンカワウソに遺伝的に近い種とされています。



水族館でよく見るコツメカワウソと比べて、体のサイズがひと回り大きい印象がありました。
「カワウソのふち」では、飼育員さんによる解説とエサやりの様子が楽しめるフィーディングタイムを実施しています。
水中を活発に泳いだり穴を掘ったり、広い水槽展示だからこそ見られる行動が印象的でした。
わくわく・はじまりの森
福島県の浜通りに広がる自然環境を再現した「わくわく・はじまりの森」エリア。
動物や昆虫など、里山に生息する多種多様な生き物を解説とともに観察できます。
山の中には、さまざまな爬虫類や両生類も生息しています。
草木や水辺に隠れて暮らす小さな生き物たちは、人目につくことがほとんどありません。
水族館の展示を見ると、見えていなかった身近な自然を知る良いきっかけになります。
子ども体験館「アクアマリンえっぐ」
釣りや遊具で楽しめる子ども向けの体験型施設「アクアマリンえっぐ」。
併設する釣り堀では、その場で釣った魚を調理してもらえます。
屋内スペースには、飼育員さんの仕事を体験できる子ども向けの遊具や読書スペースも。



キタオットセイやフェネックも展示されていました。
子ども体験館「アクアマリンえっぐ」からは、以下の屋外エリアで自然観察や体験を楽しめます。
- えっぐの森どうぶつごっこ
- じゃぶじゃぶ・めぐりの海
- びおびお・つながりの里
遊具で遊びながら森で暮らす動物たちの能力を体感する「えっぐの森どうぶつごっこ」エリア。
ビーチで水遊びをしながら磯の生き物を観察できる「じゃぶじゃぶ・めぐりの海」エリアなど。



自然と人とのつながりを体感できる屋外エリアです。
金魚館
身近な存在でもある金魚の魅力を再認識できる「金魚館」。
聞きなれない希少な品種から高級品種まで、幅広い金魚の種類を楽しめます。
上から見たり横から見たりと、金魚の美しさを最大限に引き出す水槽展示の工夫も注目です。
アクアマリンふくしまのお土産やお食事
ここからはアクアマリンふくしまにある「ミュージアムショップや飲食店」の情報を紹介します。
アクアマリンふくしまのオリジナルグッズや食事メニューもあるので、ぜひチェックしてみてください。
ミュージアムショップ
アクアマリンふくしまには、2か所のミュージアムショップ(売店)があります。
- スーベニアショップ 「Uminosato」(入館口横)
- ミュージアムショップ「uminos」(本館1階)
アクアマリンふくしまでしか買えないグッズもたくさんあるので、見逃さないようにチェックしておきましょう!



個人的にはサンマをモチーフにしたオリジナルグッズに注目!
飲食店


アクアマリンふくしまには、レストランやフードコートなど3か所の飲食店があります。
- おいしい水族館「アクアクロス」(本館1階)
- 寿司処「潮目の海」(本館2階)
- The Roten Cafe BREEZE(本館屋外)
それぞれの飲食店では、地元の海産物を使ったオリジナルメニューが楽しめます。
アクアクロスの「常磐めひかり御膳」は期間限定かつ1日10食限定なので、ぜひ堪能してみてください。



頭から丸ごと食べられるメヒカリの美味しいメニューでした!
アクアマリンふくしまの基本情報
アクアマリンふくしまは、さまざまな見どころがあります。
ちょっとだけ「行ってみたいな…」って気持ちになりましたか?
ここからはアクアマリンふくしまへ行くときのために、知っておくと便利な情報を紹介します。
入館料金
- 大人:1,850円
- 小~高校生:900円
駐車場
アクアマリンふくしまには、無料の駐車場が隣接しています。
乗用車
- 無料
アクアマリンふくしまの駐車場は、周辺商業施設との共用です。
土日祝日や大型連休に混雑しやすいため、できるだけ早めに到着することを心がけましょう。
最寄駅からのアクセス
- JR常磐線「泉」駅下車
- 路線バス「泉駅前」→「イオンモールいわき小名浜」(約15分)
- イオンモールいわき小名浜より徒歩約10分
その他サービス|気になる質問まとめ
アクアマリンふくしまの各種サービスについて「よくある質問」をまとめました。
ちょっとした情報ですが、事前に知っておくと役に立ちますよ!
- 館内の所要時間はどれくらい?
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館内を1周するなら、所要時間は「2~3時間」が目安です。
フィーディングタイムを楽しむ場合は「+1時間」程度を想定しましょう。 - 混雑する時期はいつ?
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アクアマリンふくしまは「土日祝日・大型連休期間」に混雑します。
混雑を避けたい場合は、混み合う時間帯(10時~14時)を避けましょう。 - 再入館できますか?
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チケット購入当日に限り再入館できます。
- コインロッカーはありますか?
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入館口前と本館1階エントランスホールにコインロッカー(100円リターン式)があります。
- ベビーカーや車椅子をレンタルできますか?
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ベビーカー:レンタル可能(無料)
車椅子:レンタル可能(無料)
環境水族館「アクアマリンふくしま」へ遊びに行こう
アクアマリンふくしまには「環境水族館」のファーストネームがついています。
海を通して「人と地球の未来」を考える理念があり、自然や生き物の研究活動・体験学習施設としての役割を果たしています。



植物園さながらの自然豊かな展示エリアが印象に残りました。
アクアマリンふくしまの展示を通じて、身近な自然や生き物について知らないことの多さを痛感しました。
自然環境の再生や動植物の研究に取り組む水族館だからこそ、ほかでは見られない希少な生き物との出会いを楽しめるのだと思います。
見どころを知ると、アクアマリンふくしまへ遊びに行くのがもっと楽しくなります。
この記事が、アクアマリンふくしまへ遊びに行くきっかけになると嬉しいです。
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