2020年6月21日、中村元の超水族館ナイト「2020夏 vol.36」に初参加しました。
水族館に関わるプロジェクトの中心で活躍されている「水族館プロデューサー」中村元さんのイベントということもあって、水族館の現状やプロデュースの裏側など、興味深い話をたくさん楽しめました。
今回のゲストは、竹島水族館の館長である小林龍二さん。地元の水族館だったこともあり、竹島水族館の話も注目していました。
超水族館ナイトは、フリートーク中心のラフなイベントです。
ファンとして水族館に足を運び、外から楽しんでいる身としては、水族館の中にいる人たちの話が新鮮でワクワクしました。
超水族館ナイトに初参加する
超水族館ナイトは、水族館プロデューサーの中村元さんと司会を務めるテリー植田さん(東京カルチャーカルチャーのイベントプロデューサー)が水族館について語り合うトークショーです。
東京にあるイベントハウス型飲食店「東京カルチャーカルチャー」で開催され、会場では飲食をしながらトークショーを楽しめます。
お酒を飲みながら水族館の話が聞けるということで「いつかお酒を飲みながら中村さんの話を聞いてみたい!」と思いながら、ずっと気になっていたイベントでした。

中村元さんは「水族館プロデューサー」として、さまざまな水族館の立ち上げに携わられた人です。
それだけではなく、厳しい状況に陥った水族館を水塊のアイデアで立ち直らせてきました。
多くの水族館を見て、関わってきた中村元さんの話を聞けば、水族館の見方や楽しみ方を変えるヒントが見つかるかもしれません。
ずっと気になっていたイベントではあったのですが、なかなか東京まで足を運ぶチャンスがなく参加できずにいました。
新型コロナの影響によりイベントハウスでの開催が難しく、今回は初のオンライン開催です。

オンラインで開催されると知って、迷わず申し込みしました。
開催1週間前から、既にアルコールを用意するほどの意気込みです。
しかし、いざ開催当日を迎え、開始5分前に気がつきました。



勢い余ってお酒を飲んでしまった
印象に残った話
ここからは、今回の超水族館ナイトで「印象に残った話」を少しだけ紹介します。
話の内容を紹介するというより、僕が感じたことや主観的な内容が中心です。
コロナの影響で…
「2020年はクラゲ展示が熱い!」
そんな年になるはずだったのですが、新型コロナウイルスの影響により予定通りに進まなかったそうです。
中村さんがプロデュースするサンシャイン水族館の新クラゲエリア「海月空間」もオープンが延期しました。



展示するクラゲの準備が間に合わない可能性があったそうで、飼育員さんからは「助かった…」との声もあるとかないとか。笑
3密を避けるため、多くの企業がリモートワークを導入し、場合によっては休業を選択するなどして「ステイホーム」に努めました。
しかし、水族館で生き物たちと関わる飼育員さんは、ステイホームできませんでした。
お客さんが入らないのでショーをしなくても良いと思いきや、訓練は毎日続ける必要があります。館内の掃除をする手間は減りますが、水槽の掃除は必要です。
チケットの売り上げが無くなっても「水槽の管理費」「生き物たちのエサ」「飼育員さんの給料」といったコストは無くなりません。
動画配信のような新しい試みを始めている水族館もありますが、大きな利益にはならないようです。
「やっぱり水族館に足を運んで、生き物たちのリアルを楽しめる環境を取り戻さなければならない!」
水族館のためにも、自分自身が楽しむためにも、そう思いました。
サンシャイン水族館がリニューアルすると何かが起こる?
中村元さん曰く、サンシャイン水族館がリニューアルする年は「何かが起こる」そうです。
- 「天空のペンギン」エリアがオープンした年は鳥インフルエンザが流行
- リニューアルオープンの年は東日本大震災が起きた
- 新クラゲエリアがオープンする今年は新型コロナウイルスが流行…
しかし、ピンチの後には、大きなチャンスがありました。
「天空のペンギン」エリアが多くの人に注目されたキッカケは、TV番組「マツコの知らない世界」で紹介されたことです。
オープンが3ヶ月遅れたことで、マツコの知らない世界で紹介される機会を得たのは「不幸中の幸い」とも言えます。
リニューアルオープンが延期になったときは、震災により東北の水族館が影響を受けました。
東北の復興に力を入れる最中、サンシャイン水族館のリニューアルオープンは、完全にタイミングを逃した状況でした。
そんな中、東北にある越前松島水族館、アクアマリンふくしまが再開して、そこに続いたサンシャイン水族館が「満を持して!」の流れになりました。



この流れが、オープンの勢いが増す後押しとなったそうです。
残念ながら新クラゲエリアがオープンする今年も「サンシャイン水族館がリニューアルする年は何かが起こる」という悪いジンクスを破れませんでした。
ですが、少し頑張った先に勢いを後押ししてくれるような良いジンクスもあります。
今年も水族館にとって、良い出来事が起こってくれることを期待したいです。
美ら海水族館の水槽には勝たれへんわ…
美ら海水族館の大水槽を見た中村元さんは「こんなんアカン…勝たれへんわ…水塊やんか」と思ったそうです。
バブル真っ只中の当時は、大型の水槽が主役の巨大水族館ブーム。
しかし時代は変わり、お金も場所も水量も限りがある状況で、新江ノ島水族館のプロデュースが始まりました。
巨大水族館に、小さな水槽で勝つ方法を考える必要がある。
新江ノ島水族館は、美ら海水族館や海遊館と比べると決して大きな水族館ではありません。
限られたスペースで「いかに奥行きのある水槽を演出するか」という発想に至ったそうです。
新江ノ島水族館の水槽をじっくり観察すると、巨大水族館に負けない秘密が隠れています。



気になる人は「水族館 一反木綿系」で検索すると、ヒントが見つかるかも?
小林館長の本
竹島水族館の小林館長が、2020年7月4日に初の著書となる本を出版します。
amazonや竹島水族館でも購入できるそうなので、ぜひ手に取ってみてください!



…ということが言いたかったのではなくて、少し懐かしい話題がありました。
竹島水族館は、ユニークな解説板や展示手法で人気を集めています。
新型コロナの規制緩和後は「同時入館100名」の入館制限をかけるほど多くのファンが訪れています。
しかし、数年前までは廃館寸前でした。
そんな竹島水族館を復活させたのが小林館長であり、中村元プロデューサーはヒントを与えた存在でもあります。
小林館長は水族館を復活させる方法を考える中、トヨタの本に書かれていた「なんで?を5回繰り返すこと」で答えを見つけられたそうです。
この「なぜ?」を繰り返す手法は、トヨタ式の「なぜなぜ分析」と呼ばれています。
「なぜ?」を繰り返すことで、問題課題の根本的な原因を引き出すトヨタ式の手法。
トヨタ系列に限らず、さまざまな企業で課題解決に採用されている。
僕もエンジニア時代は、課題を解決したいときや自己分析するときに活用していました。
問題を「なぜ?なぜ?」と深堀りしていくと、根本的な原因にたどり着けるだけでなく、広い視野で多角的にアプローチできます。



ただし、すごく頭が疲れるので注意が必要です(笑)
超水族館ナイトを見た感想
本来はイベントハウスで行われるはずだった超水族館ナイト。
現地に集まった人たちと楽しさや笑いを共有できるはずが、リモート参加ではちょっと難しいです。
今回は「少しでも水族館ナイトの話を共有できれば…」と思い、ブログに書いて紹介してみました。


紹介した以外には、こんな話もありました。
- マゼラン海峡で死にかけた話
- 新しい水族館プロジェクトの話
- 巨大水族館ブームがなくなった話
- スター選手がいない竹島水族館の戦略な話
- 竹島水族館と桂浜水族館でトレード!?の話
超水族館ナイトに参加して、水族館に行きたい気持ちがより一層強まりました。
やっぱり水族館は、実際に足を運んで楽しむのが一番です。
中村元さんはトークの中で、こんな一言をおっしゃっていました。
「リアルはオンラインの15倍面白い」
「15倍」に深い意味はないでしょうが、リアルはオンラインに勝る面白さがあるというのは、たしかにその通りだと思います。
水族館に限らず、多くの業種が厳しい状況です。
しかし、ピンチの後にはチャンスがあると考え、頭をフル回転して打開するしかありません。
「制約があるからこそ打開策を考え、新たなアイデアが生まれる」
新型コロナの収束を目指しながら、まだ水族館へ安心して気軽に行けない状況です。
しかし、水槽の前に行けば、何かを楽しむヒントが見つけられるかもしれません。
「心が負けそうなときは、水塊のある水族館へ行こう!水槽の前に行けば、良いきっかけが生まれるはず!」
水族館って良いところですよ。
こんな時こそ水族館に行きましょう!!
基本情報
【開催日時】
2020年6月21日(日) 19:00~20:30
【出演者】
中村元(水族館プロデューサー)
【ゲスト】
小林龍二(竹島水族館館長)
【司会】
テリー植田(東京カルチャーカルチャー・イベントプロデューサー)
【参加費】
1,000円
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